スマートフォン依存・ゲーム依存の専門治療
スマートフォンの爆発的な普及により、その使い過ぎによる弊害が「スマートフォン依存」として取り沙汰されています。「スマートフォン依存」の他にも、「インターネット依存」、「ゲー厶依存(正式病名:ゲーム行動症)」がアカデミック領域やメディアで注目されています。
これらはうつや不安といったメンタルヘルスの問題と関連することがわかってきています。
当院の調査では、思春期外来を訪れた新規患者の約半数にスマートフォン依存の傾向があると判定され、さらにスマートフォン依存と社交不安との関連も示唆されました。この調査は、2022年の日本精神神経学会学術総会にて優秀発表賞に選ばれました(詳しくはコチラ)
また、スマートフォンゲームの「ガチャ」とギャンブルの類似性が危険視されています。この点に関して当院では英語論文を発表しました。(詳しくはコチラ(外部リンク))
東京都立松沢病院では、「スマートフォン依存」「インターネット依存」「ゲーム依存」について、外来診療、入院診療ともに力を入れて取り組んでいます。お気軽にご相談ください。
外来診療
まずは医師の診察で、スマートフォンやインターネット、ゲームの使用状況とそれに関する悩み事をお聴きします。次に身体検査を実施して、身体の健康を確認します。続いて、心理検査を実施して、性格傾向や発達障害の有無、知的機能水準を調べます。これらの情報に基づき、個々の目標を立て、現在の生活を少しでも改善する方法を共に考えていきます。日中活動の充実のために、思春期・青年期専用のデイケアも用意しています(詳しくはコチラ)。
入院診療
生活リズムを整えたい、スマートフォンから離れて生活を送りたいなどの希望がある場合は、一ヶ月程度の入院治療が可能です。入院中は、外来で行う診療内容に加えて、スマートフォン依存に関するオリジナル教材や、スポーツ・クラフトなどの作業療法に集中的に取り組むことで、リアルな活動を取り戻せるように援助します。
入院診療で期待できること
- 規則正しい生活リズムが身につけられる
- スマートフォン・ゲームをやめられない事に関する知識が得られる
- やめられない背景にある問題を一緒に考えられる
- スマートフォンやゲームの使用をコントロールする練習ができる
- 人間関係や社会生活を練習できる
- より良い生活について一緒に考えられる