形成外科
【診療内容】
当科は体表の機能、整容上の障害を手術治療によって改善し、患者さんの精神的負担を軽減させ、障害以前もしくは障害のない日常生活に戻れることを目的とした診療科です。形成外科は多くの他の診療科とは異なり、特定の臓器のみを対象とせず、全身の部位を総合的に扱っています。さらに診療を通して患者の社会的背景や他に隠れている疾患、患者の気持ちや精神状態なども踏まえて一緒に改善できるように寄り添う治療を行います。患者さんの日常生活において前向きに過ごせ、そして社会復帰をしていく手助けを行っていきます。
診療対象疾患
形成外科では、主に下記の疾患に対して診療をあたることが可能です。
(1)熱傷、新鮮外傷、顔面骨骨折
- 熱傷(やけど):当院では皮膚科とともに当科でも診療を行っています。広範囲や、瘢痕になりそうなやけどの治療は形成外科で行います。
- 新鮮外傷(切り傷、皮膚欠損):傷の状態に合わせた丁寧な縫合や処置を心掛け、1日でも早く、キレイに治るよう治療を行います。
- 顔面骨骨折:鼻骨骨折や頬骨骨折や眼窩底骨折などの顔面の骨折に対しては、整形外科ではなく形成外科で治療を行います。
(2)瘢痕、ケロイド、瘢痕拘縮
- きずあと:術後や外傷後の醜状瘢痕(きたない傷あと)、拘縮(ひきつれ)、ケロイド・肥厚性瘢痕(傷の盛り上がりや痛痒さ)は治療可能です。
(3)耳介の異常(副耳、耳前瘻孔、折れ耳、埋没耳)、多指症、合指症
- 生まれつきの変形に対して装具を用いた治療や手術による治療を行います。
(4)血管腫、皮膚皮下腫瘍
- ホクロ、粉瘤、脂肪腫などの外科的切除を行います。小さいものは日帰り手術が主ですが、部位や大きさにより約3-6日間の短期入院での手術を行います。
(5)皮膚がんなどの切除および再建
- 皮膚がんのダーモスコピー、生検による診断を行い、手術・手術による組織欠損に対する再建術を行います。手術療法以外にも必要な治療(化学療法や放射線療法など)を要すると判断した場合は他院へ紹介しています。
(6)腫瘍摘出後の組織欠損や変形、乳房再建等
歯科口腔外科等、他科との共同手術の下腫瘍摘出後の組織欠損や変形の再建を血管付きで顕微鏡を用いた組織の移植(遊離皮弁移植術)や周囲の皮膚を用いた再建術(局所皮弁術)を行います。
- 乳房再建:乳腺外科と協力の下、乳房再建の一連からエキスパンダー挿入術、インプラント術や自家組織を用いた再建術を説明し、患者様のライフステージ、ライフスタイルにあった再建方法を行います。
(7)リンパ浮腫、眼瞼下垂、腋臭症等
- リンパ浮腫:主に乳房切除後のリンパ浮腫に対してスリーブ指導からリンパ管静脈吻合術まで行います。
- 眼瞼下垂・眼瞼内反症(逆さまつ毛):加齢やコンタクトレンズ長期使用など、様々な原因により上まぶたが開けづらくなるものを眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)と言います。患者さんにあった眼瞼下垂術をご提案し、より機能面とともに満足度の高い整容面も得られるよう心がけて行います。
- 腋臭症(わきが):当科では皮弁術を行います。
2023年1月20日 最終更新