脳神経外科
脳神経外科疾患診療に携わる者の心構えとして、「脳神経疾患治療は常に時間との勝負である」との認識を持っています。特に、脳神経疾患は患者さんの人生を大きく左右する疾患です。病気のみを診ることなく、患者さんを第一に考えた診療をさせていただきます。
診療内容
手術
くも膜下出血(脳動脈瘤および脳動静脈奇形)に対する手術が多く、脳動脈瘤クリッピング手術数で、関東・東京地区で常に上位を占めています。特に、くも膜下出血のクリッピング数は全国でも屈指です。
開頭手術によらない脳血管内治療も担当しています。手術に必要な環境も十分整備されており、ここ2~3年の脳虚血に対する手術例の増加と併せ、都立病院のなかでも、脳血管センターとしての役割を果たしています。
脳腫瘍(脊髄腫瘍も含む腫瘍性疾患)は、放射線治療を含む総合的な医療が要求される疾患であり、手術においてもナビゲーションシステムや5-ALAによる術中蛍光診断などを駆使して摘出率向上を目指しています。また、ハイブリッドOPE室も稼働を開始し、各種疾患に対応しています。
外来
さまざまな頭痛、軽症頭部外傷、てんかん発作、認知症、あるいは精神神経科、神経内科、整形外科などとの境界領域疾患等はもちろん、即日脳外科手術を要するようなくも膜下出血をはじめとする脳血管障害や脳腫瘍など、典型的な脳外科的疾患も多く扱っています。
特色
救急医療
一貫して救急医療を大きな柱としており、東京都脳卒中急性期医療機関に指定されています。脳血管疾患が代表的ですが、特に手術治療の充実を確保する努力を怠らないように、最新式手術用顕微鏡や手術支援装置の整備から、脳動脈瘤用クリップなどの小さな機器に至るまで、常に十分な対応ができる状態を維持しています。
脳梗塞急性期治療
脳梗塞急性期に対するt-PA治療については、神経内科、救命救急センターと協力して治療にあたっています。さらには、脳梗塞急性期の血栓回収療法にも24時間対応できるようにしています。
主な医療設備
- MRI 3台
- CT 3台
- 3D-DSA(脳血管撮影装置)
- SPECT(脳血流測定装置)
- RI-scintigraphy
- ABR(聴性脳幹反応)
- MEP(運動誘発電位)
- CUSA(超音波メス)
- Micro Doppler
- 手術用顕微鏡(Zeiss社製KINEVO900)
- 定位的脳外科手術装置(ステルスナビゲーションシステム)など
地域とのつながり
地域の医師会との相互交流を深めています。院外カンファランスとして東京警察病院など複数の脳外科施設との毎月一回の合同カンファランスや、神経放射線カンファランスなどを行っています。
2023年1月 7日 最終更新