鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは

  • 太ももの付け根の部分から、腸や内臓脂肪の一部がお腹の中から外へ脱出する病気です。一般的に「脱腸」とも言います。
  • 症状は、立位で膨隆が見られ、仰向けで膨隆が消失します。
  • 主に、体の組織が弱くなることで発症します。
  • 弱くなったところをお腹の中から観察すると、穴が空いているように見えます(ヘルニア門)。
  • この穴の中に腸や内臓脂肪がはまり込むと、立位で鼠径部が膨隆します。

放置していると・・・

  • 自然に穴が塞がることはないので、穴が広がってしまいます。
  • 治療法は、手術しかありません。

腹腔鏡で観察した時のヘルニア
  • 見せるのが恥ずかしくて、受診をためらわれるかもしれませんが、日本で年間約13万人以上の方が受けられている手術(※)ですので、少しでも症状があれば是非ご相談ください。
    (※) National Clinical Database (NCD) における鼠径部ヘルニア手術件数(2021年)

鼠径ヘルニアの手術

  • 穴(ヘルニア門)とその周囲を覆うように、ヘルニア手術専用のメッシュのシートを敷き、穴を塞ぐとともに腹壁を補強します。成人の鼠径ヘルニアではメッシュを使用した手術が一般的です。
  • 当科では腹腔鏡手術を第一選択にしています。鼠径部のヘルニアには色々なタイプのヘルニアがありますが、腹腔鏡で観察すると詳しくわかります。また、症状がなかった反対側のヘルニアが見つかることもあり、希望されれば同時に治すことができます。

腹腔鏡手術の概要
  • 前立腺癌の手術や放射線治療をされた方、お腹に大きな手術の痕がある方、併存疾患のために全身麻酔に耐えられない方は、腹腔鏡手術ではなく、鼠径部を5〜6cm切開して行う鼠径部切開法での手術を行っています。

初診から手術までの流れ

最短で翌週の手術が可能です。入院期間は2泊3日になります。

初診から手術までの流れ

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