検査の内容と、検査時の注意などについて説明しています。
心電図検査
心臓は、体中に血液を送るときにわずかな電気を発生します。心電図検査は、手足と胸部につける電極で、このわずかな電気の変化を記録して、心臓の働きを調べます。心臓の障害の有無や病気の状態を観察します。また、手術を受ける前や健康診断でも行われています。短時間で豊富な情報を得ることができ、痛みや体への影響もなく、安全な検査です。
検査を受けるときは、胸を出し、靴下(ストッキング)も脱いで足首が出るようにします。着脱しやすい服装でお越しください。女性の患者さまで女性技師を希望される場合は遠慮なくお申し出ください。ただし、お待ちいただく場合もありますのでご了承ください。
ホルター心電図
ホルター心電図 とは?
ホルター心電図
ホルター心電図とは携帯型の心電計を用いて日常生活の心電図を記録する検査です。
※ホルター心電計は54×54×17cm、約60gです。
何がわかるの?
- 自覚症状と心電図の対応を観察
- 不整脈の診断と治療効果の判定
- 虚血発作(狭心症など)の診断と治療効果判定
- 心臓ペースメーカーの作動状況の観察 など
どのように検査するの?
- 胸に心電図の電極を5枚貼り、ホルター心電計に接続します。ホルター心電計はポシェットに入れて腰に巻きます。電極の装着は約15分です。
- 心電計装着後は、帰宅して通常の生活を送っていただけます。
- ホルター心電図記録中の生活行動、自覚症状等を記載していただく行動記録用紙をお渡しいたします。記入をお願いします。
- 翌日(24時間後)にご来院いただき、電極の状態や機器の動作状況を確認しながら取り外します。
- 解析結果は1週間後にわかります。
*検査中のご入浴、シャワーはできません。また、電気毛布はご使用いただけません。
脳波検査
脳波は、脳神経細胞から生じる微弱な電気を記録したものです。脳の活動をみる検査です。様々な病気の発見やその経過観察、治療の効果の判定などで行われます。検査は、十数個の電極をクリームで頭皮につける痛みのない検査です。検査中は、いくつか簡単な指示をしますが、眼を閉じてリラックスしていれば終わります。
肺機能検査
医師は通常、呼吸するときの音を聴診器で聴くことによって肺の働きを診ています。肺機能検査は、
- 肺がどれだけの空気を取り込めるか?
- 肺がどの程度の量や速さの空気を吐き出せるか?
について検査をして、肺の障害の有無を判断します。
- 換気機能…空気を出し入れする機能
検査を受ける人は管から息を深く吸い込み、次に管に出来るだけ速く、勢いよく息を吐き出します。この検査は肺の障害の有無を判断する以外に、手術で行う麻酔の方法を決めるためにも行っています。 - 呼吸機能…酸素を肺から血液中に取り込み、二酸化炭素を体の外に出す機能
肺の空気嚢(肺胞)から血流にどれほど効率的に酸素が移行するかを評価します。この検査の結果は、肺がどの程度二酸化炭素を排出し、十分に血液中に酸素を取り込めているかを反映するため、肺機能の重要な指標になります。
肺年齢とは?
みためでは判らない肺の健康状態を知るための判定指標です
どのように検査するの?
- 鼻にクリップをかけ、口にマウスピースをくわえて呼吸をします。
- 合図に合わせて大きく吸ったり吐いたり、力いっぱいのスピードで速く吐いたりします。
- 同性・同世代と比較して肺年齢を算出します。検査時間は約15分です。
何がわかるの?
実年齢より若ければ、肺機能が同性同年代に比べて優れているといえます。
実年齢以上の場合は肺機能の低下が考えられます。結果は5段階に表示されます。
1:異常なし 2:境界領域 3:肺疾患の疑い 4:COPDの疑い(要経過観察)5:COPDの疑い(要医療・精検)
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?
従来、慢性気管支炎、肺気腫と呼ばれていた病気を併せた病名です。
気管支や肺胞に慢性的な炎症が起きて、たん。咳・息切れなどの症状が見られます。原因の90%以上はタバコで「肺の生活習慣病」と呼ばれています。
血圧脈波検査ABI
両腕、両足首の血圧を測定することで、動脈硬化の程度と、下肢動脈の狭窄を評価する検査です。
どのように検査するの?
- 両腕、両足首にカフを巻き、両手首に心電図電極、胸に心音マイクロフォンをつけます。
- 手足4つのカフで同時に血圧を測定します。検査時間は約20分です。
動脈硬化は加齢により誰にでも起こりますが、個人差が大きく、食生活や運動などの生活習慣が大きく関連しています。40歳以上で以下の危険因子が思い当たる方に検査をお勧めします。
喫煙 糖尿病 高血圧 高脂血 肥満 冷感 しびれ感
何がわかるの?
- 脈波伝搬速度:PWV(心臓から押し出された血液により生じた拍動が手や足に届くまでの速度)を測定することで動脈硬化の程度がわかります。PWVが大きいほど血管の硬化が進んでいます。
- 足関節/上腕血圧比:ABI(腕の血圧と足首の血圧の比)を測定することで下肢動脈の狭窄を評価します。ABIが0.9以下の場合、動脈硬化による血管の狭窄が進んでいます。
動脈硬化を放っておくと・・・
重心動揺検査
平衡機能検査のひとつで、前庭機能の検査です。真っ直ぐに立とうとする平衡維持機能を体の重心の動揺(移動)で評価します。
前庭は内耳の中の蝸牛と三半規管の間にあり、重力や加速度を感じる器官です。
どのように検査するの?
- 三角形のプレートに両足をそろえて直立します。ひとりで、つかまらずにお立ちいただきます。
- 目を開けた状態、目を閉じた状態、ラバーマットに乗った状態などで行います。検査時間は約15分です。
何がわかるの?
- 体の重心の動揺(移動)を分析し、めまいの原因を診断します。
- 平衡障害の有無と、どの程度なのかがわかります
- 平衡障害の経過観察、治療効果がわかります
- 特徴的な動揺を示す場合は病気の部位がわかります(迷路障害・小脳障害・パーキンソン病)
新生児聴力検査AABR
赤ちゃんのための聴力検査です。生後6ヶ月までの赤ちゃんの難聴を診断するスクリーニング検査です。
どのように検査するの?
- 赤ちゃんが眠っている間に検査します。
- 赤ちゃんのお顔、首に3枚のシール電極を貼り、小さなヘッドフォンで音(クリック音)を聞かせます。検査時間は約20分です。
- 音を聞いている間の脳波を分析して難聴を判定します。
何がわかるの?
- 赤ちゃんの難聴を判定します。
- 検査では35dB(デシベル)の大きさのクリック音が聞こえていることを確認します。
35dB(デシベル)はささやき声程度の大きさの音です。クリック音は4000Hz程度の高い音です。 - AABR検査で難聴が疑われる場合、更に詳しく検査をすることがあります。
検査をご希望の方は・・・
- 当院でご出産される方は入院中に検査ができます。
- 他院でご出産された方は、小児科外来にご相談ください。
睡眠時無呼吸検査
携帯型の呼吸検査器を用いて就寝中の呼吸状態、血液中酸素濃度を記録する検査です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:SleepApneaSyndrome)
眠っている間に何度も呼吸が止まる病気です。無呼吸(気道の空気の流れが10秒以上止まった状態)が一晩(7時間の睡眠)に30回以上ある場合、または1時間当たり5回以上ある場合にSASと診断されます。
どのように検査するの?
- 検査室で検査器の装着方法を説明し、お持ち帰りいただきます。説明は15分程度です。
- 就寝前にご自身(またはご家族)でセンサーを装着してお休みください。センサーは指先と口鼻の2か所です。検査器は手首に巻いてください。
- 翌朝、起床したら検査器を取り外して返却してください。
何がわかるの?
眠っている間の呼吸やいびきの状態を調べることで、睡眠時無呼吸症候群の診断と重症度の判定をします。
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、更に詳しく検査(睡眠ホ゜リク゛ラフィ)することがあります。入院していただき、携帯型検査器の2か所に加えて、心電図、脳波、筋電図、眼球運動、呼吸運動、体位などのセンサを装着して検査をします。
終夜睡眠ポリソムノグラフ検査(PSG)
簡易睡眠検査(SAS)で無呼吸症が疑われる場合は、一晩入院して行われる終夜睡眠ポリソムノ検査を行います。脳波や呼吸の状態、心電図、いびき、酸素飽和度、脚の動き、寝返りなどを測るセンサーを装着し、より精密な診断が可能です。センサーの装着中は痛みもなく、寝返りやトイレに行くことも可能です。
超音波検査(エコー検査)
超音波検査とは、超音波を対象物にあてて、その反射を映像化することで対象物の内部の状態を調べることのできる画像検査法のひとつです。 超音波とは音の一種であり、耳で聞こえる音(可聴音:20Hz~20,000 Hz(20KHz))よりも高い周波数の音(1~30,000,000 Hz(30MHz))のことをいいます。なお、レントゲンやCT検査のような放射線被爆が無いため、どなたでも安心してお受けいただけます。
検査項目:腹部、心臓、乳腺、甲状腺、血管(頚部、下肢静脈)
<検査を受ける際の注意事項>
*飲食の制限について
腹部の検査の方:午前の検査の方は朝食を、午後の検査の方は昼食をお控えください。お水は少量であればお飲みいただいて結構です。
その他の部位の検査については、飲食の制限はありません。
*排尿の制限について
検査部位により排尿を控えて(膀胱に尿を溜めて)いただく場合があります。