検査の内容と、検査時の注意などについて説明しています。
血液の成分
血液の中には
体の中を流れている血液の量は、体重の約1/13といわれています。血液のなかには、血球成分と血しょう成分が含まれています。
血球成分とは…赤血球、白血球、血しょう板などです。
血しょう成分とは…タンパクや糖、脂質などが溶け込んでいる液体成分です。
赤血球ってなに?
赤血球は骨髄で作られ、寿命はおよそ120日です。平たく真ん中がへこんだドーナツ型をしています。赤い色をしているので赤血球といいます。赤い色の正体はヘモグロビンという色素です。
赤血球は柔軟性に富んでいて、大変細い毛細血管の中を通ることができるので、酸素を体中に運ぶことができます。
白血球ってなに?
白血球は骨髄やリンパ節で作られます。血球の中で一番大きい細胞です。体の中で細菌やウイルスなどの病原体を退治する働き(免疫力)があります。花粉症などのアレルギーにも関係しています。
血小板ってなに?
血小板は骨髄で作られます。血管に傷がついたとき、その部分をふさぐ働きがあります。
血小板は、ケガをして出血したときに血管にあいた穴の周りに集まって、応急処置的に止血します。
血球計数検査(血算)について
血球計数検査(血算)ってな~に?
血液中の赤血球、白血球、血小板の数や、ヘモグロビンの量(酸素を運ぶために必要なもの)などを調べます。
貧血と赤血球増多症の有無やその程度を知ることができます。
赤血球の数を調べると何がわかるの?
赤血球の数は成人男性で約450万個/μl、成人女性で約400万個/μlくらいあります。
赤血球の数が増えすぎると細い血管を詰まらせる原因になり、少なすぎると酸素が運ぶ量が減り、ふらついたり、息苦しくなります。
白血球の数を調べると何がわかるの?
白血球の数は約4000~10000個/μlです。風邪を引いたり細菌に感染すると白血球は数を増やし、外敵から身を守ろうとします。その逆に、白血球が減ると免疫力が減少して感染しやすくなります。
血小板の数を調べると何がわかるの?
血小板の数は約10万~45万個/μlです。血小板には止血の働きがあるため、増えすぎると固まりやすくなり、細い血管を詰まらせる(血栓といいます)原因となります。また、減りすぎると出血がとまりにくくなります。
血液像検査について
血液像検査ってな~に?
血液の中の白血球、赤血球、血小板を顕微鏡で観察する検査です。
血液の中に見られる細胞の数や形、大きさを見ることにより、いろいろな病気の補助的診断や治療効果の判定に役立てられます。
白血球の仲間たち
白血球の種類は大きく分けて5種類あります。
凝固検査について
凝固検査ってな~に?
通常、体の中で血液が固まってしまうことはありません。しかし、血管が何らかの原因で破れて出血してしまったときには固まらないと困ります。
人間の体の仕組みにはこのようなときに血液を固まらせ、破れた穴をふさいで血液を止める(止血といいます)働きがあります。凝固検査は、出血があったときに止血する機能がきちんと働くかどうかを調べる検査です。
止血のときに働く凝固因子は肝臓で作られるため、間接的に肝臓の能力を見ることができます。出産や手術の予定がある方は、事前に血液がきちんと止まるかを調べるために検査をします。また、血液を固まりにくくする薬を使用している方は薬の効果を知るために検査します。
赤血球沈降速度について
赤血球沈降速度ってな~に?
「赤血球沈降速度」という名前よりも「血沈」や「赤沈」という呼び方を聞いたことがある方が多いと思います。血液を血沈管(ストローのような形)にいれ、しばらく立てておきます。すると赤血球がだんだん沈み始めます。この沈む速さを検査します。
急性の炎症や体内の組織が崩壊したり、極度の貧血があると亢進します。赤血球の増加があると遅延します。