フレイル予防の食事

2月1日はフレイルの日

フレイル予防の食事

加齢にともない心身の活力が低下し、介護が必要となるリスクが高くなる状態を、「フレイル」といいます。フレイルを予防し、健康寿命を延ばすために、都立病院の管理栄養士が「栄養」の面から解説します。

たんぱく質を含む食品をとることを意識しよう

たんぱく質は、筋肉や血液をつくるもとになります。たんぱく質をとる量が少なくなると筋肉量が減少し、年を重ねると筋肉の合成が遅くなるため、高齢になるほどたんぱく質をとることが重要になります。
良質なたんぱく質は、魚介類、肉類、卵、大豆製品や乳製品に多く含まれます。十分な量のたんぱく質をとるために、毎日の食事でこれらを意識してとりましょう。

たんぱく質を多く含む食品

特に、朝食はたんぱく質が少なくなりがちです。体に必要なたんぱく質を十分にとるために、「朝から何品も準備するのは大変」という方は、例えば、次のような方法でたんぱく質をプラスしてみるのはいかがでしょう。

  • コーヒーや紅茶に牛乳豆乳をプラス
  • 冷蔵庫に豆腐納豆チーズを常備しておく
  • ツナやサバなど手軽に使える魚の缶詰を活用する
  • サラダチキン魚肉ソーセージを活用する

いろいろな食品で栄養バランスを整えよう

フレイルの予防に大切なのは、体に必要な栄養素を過不足なくとることです。食品によって含まれる栄養素は異なります。いろいろな食品を食べることは、体にとって必要ないろいろな栄養素を過不足なくとることにつながっていきます。
まずは食事を抜かずに、朝・昼・夕の3食をきちんととることから始めましょう。
3食の食事では、「主食(ご飯・おかゆ、パン、麺類など)」「主菜(魚介類、肉類、卵、大豆製品)」「副菜(野菜、きのこ、海藻類)」を組み合わせることを意識しましょう。

バランスの取れた3食

よく噛んで食べよう

栄養素を体へしっかりと取り込むための第一歩として、「よく噛むこと」は大切です。「食事の中に歯ごたえのあるものを取り入れる」「食材はあえて厚め大きめに切る」などの工夫で、噛む力、食べる力を維持しましょう。

おいしく楽しく食べよう

食べることは体にだけでなく、心にも栄養を与えてくれます。誰かと一緒に食事をするなど、食べることを楽しみましょう。

普段の生活の中で、「食べ物がおいしく感じられない」「食事でむせやすくなった」「体重が前より減ってきた」「歩くのが遅くなった」などと感じることはありませんか。年のせいとあきらめず、やりたいことや好きなことを続けていくために、今回は、「栄養」にスポットをあてました。
フレイル予防の3ポイント「栄養」「運動」「社会参加」を意識して、今できることから始めてみましょう。

引用 参考文献

  1. 厚生労働省 令和元年度食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業リーフレット「食べて元気にフレイル予防」
  2. 東京都福祉局ホームページ 東京都介護予防・フレイル予防ポータル
  3. 公益財団法人長寿科学振興財団 令和2年度業績集(令和3年3月)フレイル予防・対策:基礎研究から臨床、そして地域へ

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最終更新日:令和7年1月16日