11月14日は
世界糖尿病デーです
食事により、血液中の糖分(血糖)が高くなると膵臓で作られるインスリンというホルモンが血糖値を調整してくれます。しかし、インスリンの分泌量が足りなくなったり、効きが悪くなると血糖を吸収する機能が低下し、血糖値の高い状態が続きます。
食べ過ぎや不規則な食生活を続けることで、膵臓に負担がかかり糖尿病が進行するリスクが高まります。
糖尿病と食事の関係について、都立病院の管理栄養士が解説します。
食生活のポイント
「規則正しく栄養バランスのいい食事を適量食べる」とよく言われますが、わかっているけどなかなかできない、栄養のバランスをとるのは大変という方もいるでしょう。
「食べてはいけない」「我慢する」などの制限ではなく、食生活の中で「時間」「量・回数」「バランス」を少し意識してみましょう。
①1日3食きちんと食べる
朝食は抜かず、1日3食できるだけ決まった時間に食べましょう。食事の間隔が長くなると次の食事の後の血糖値が上昇しやすくなります。
朝は時間がない、食欲がないと朝食を抜きがちの方は、おにぎりや果物、牛乳のみでも良いので食べるようにしましょう。
② 夜遅い時間の食事は避ける
夜遅くに摂ったエネルギーは消費されにくく、余分なエネルギーは脂肪として蓄積されやすくなります。夜21時以降に食べている場合は、30分、1時間でも早い時間に食べるようにしましょう。
③ ゆっくりよく噛んで食べる
早食いはお腹がいっぱいと感じる前に沢山食べてしまいます。ゆっくりよく噛んで食べることで消化を助け、血糖値の上昇も緩やかになります。
④ お腹いっぱい食べない
食べる量は『腹八分目』。もう少し食べたいなと思うくらいでやめておきましょう。
⑤ 揚げ物は食べる量に注意しましょう
⑥ 間食を習慣化しない
間食に食べる菓子類などには糖分が多く含まれています。
通常は食後、時間が経つと血糖値は下がりますが、間食すると下がり切る前に、また血糖値が上がります。間食を習慣化すると血糖値が高い状態が続くことになるので、なるべく間食はしないようにしましょう。
⑦ 清涼飲料水の飲み過ぎに注意しましょう
また、日々の水分補給はお茶か水にしましょう。
⑧ 主食・主菜・副菜をそろえる
主食・主菜・副菜をそろえると栄養のバランスがとりやすくなります。
「主食」 糖質を多く含む → エネルギー源
「主菜」 たんぱく質を多く含む → 体をつくる
「副菜」 ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む → 体の調子を整える
主食が重なる献立(ラーメン+ご飯やチャーハンなど)にならないよう気を付けましょう。
⑨ 食物繊維(野菜、きのこ類、海藻類)をとる
食物繊維は糖の吸収を緩やかにしてくれます。
野菜がなかなかとりづらい方は、ちょっとした工夫で増やしてみましょう。
「すぐに食べられる野菜(プチトマト、カット野菜、冷凍野菜)を常備する」
「麺類を食べるときはトッピングする(もやしやわかめ、海苔など)」
「外食するときは野菜が多い料理を選ぶ」
⑩ 体重を測る
知らず知らずのうちに増えた体重は減らすのが大変です。
日々の食事で調整していきましょう。
糖尿病の発症リスクを下げよう
まずは生活習慣の中で取り入れやすく、できることから始めてみましょう。
なかなか続かずに中断してしまったら、また始めてください。
規則正しく、栄養バランスのよい食事を心がけ、健康的な生活を送りましょう。
最終更新日:令和6年11月12日