2002年11月号 当科非常勤のご紹介-多岐にわたるニーズにお応えするために

2002.11月号

 歯科においてオールマイティになる自信などなかった私は、今まで何度となく開業を考えては決断に至れませんでした(5月号・病院ホームページ版ご参 照下さい)。流れ流れて行き着いた荏原病院で、口外の得意な市川医長、補綴・障害者歯科の長谷川先生に支えられ、心強さを皆様にもお裾分けできておりま
す。今月号は当科非常勤医のご紹介です。
 先ずは一週間の非常勤医です。月曜日は東京歯科大の歯科麻酔科から松木先生が来ております。障害をお持ちの患者さんやハイリスクの方、歯科恐怖症の方などに対応しています。火曜日は以前にもコラムでご紹介した医科歯科大補綴系の佐々木先生が、主に補綴の患者さんを手伝ってくれます。この日は車椅子の彼が車椅子の患者さんを診ている光景が見られます。水、木は市川医長だけでは手一杯の外来小手術を昭和大の第一口腔外科の宇山、松浦先生が補ってくれます。そして、金曜日には手塩にかけてしごいた昨年度の研修医、日大ゴルフ部出身の竹生(たこう)先生が暇をつくって手伝いに来てくれます。
 次に不定期の非常勤・匠5人の紹介です。大きなオペの際は昭和大の第一口腔外科から大野助教授または松井講師が手伝いに来て下さいます。口腔癌のオペな どは10時間を超える場合も少なくなく、当院形成外科の青山医長にも顕微鏡下の即時再建術などでご協力を戴いております。また、医科歯科大学の歯科放射線 科から吉野先生が唾液腺造影のニーズに応じてやって来ます。市川医長が大汗をかいてやっと挿入する唾液腺カニューレをいとも簡単に入れてくれます。当初は 年に2回ほども需要があればと考えておりましたが、城南地区は唾石患者さんが多いのか、2ヶ月に一回は彼の顔が見られます。もう一人は、歯周病で有名な二階堂先生です。難しい歯周病患者さんを月に1回、木曜日に集めておき、歯周病手術やアドバイスをいただきます。今一人は世田谷区歯科医師会の高山理事で す。私の大学の後輩に当たり、補綴の講師まで務めた方です。長谷川先生や私が手を焼く補綴症例を助けてくれます。月1回、水曜日です。

 歯科について円満で幅広い知識と技術を培う上で、これらの匠達の貢献は大きいものがあります。われわれ常勤3人と研修医 の目からは毎月何枚も鱗が落ちます。匠の技術を見ていると、魔法を使っているのではなく、基本に非常に忠実なことを思い知らされます。
この9月からは蒲田歯科医師会のご要望により、会員の先生方が少人数で当科を訪れられ、オペ室や外来小手術、ハイリスク患者さん治療の実際などを見学な さっております。難抜歯患者さん同伴でいらした先生もみえました。当院はいち早く病診連携を最重点課題とし、地域に開かれた病院の先駆けとして知られるよ うになりました。口腔外科、歯周病、困難な補綴などで今回ご紹介した匠の技に触れたい方は、ご遠慮なく当科にお問い合わせ下さい。

歯科コラム