2018.11月号
歯科医師の悩みの種でもある異常絞扼反射、先生方もそのために何度も治療が中断したり、きちんとした治療ができない患者に遭遇しておられるのではないでしょうか?
本来ならば絞扼反射とは、舌根部、軟口蓋、咽頭部、喉頭部、ときには口腔の各部位の刺激により誘発される吐物を伴わない嘔吐様の反射であり、本来これは有害な物質の侵入を阻止するための防御反応とされています。しかし、この反応が強い患者ではデンタルXpの撮影や大臼歯部の治療に苦慮します。当科では異常絞扼反射の患者に対し静脈内鎮静法などの行動調整を併用することで治療を行っています。反射亢進の原因としては、[1]口腔形態などの局所的因子、[2]精神疾患や消化器疾患などの全身的因子、[3]歯科治療に対する不安やトラウマなどの心理的因子があげられます。歯科治療のみでの反射亢進であれば、静脈内鎮静法併用することでほぼスムーズに対応できます。しかし、自身のケアでも反射が出てしまう患者には、深い麻酔深度での静脈内鎮静法や笑気併用、また全身麻酔での治療を行っています。
患者様に聞いてみたところ、妊娠やストレスなど体調の変化で今までできていたのに急にできなくなった方も多いようです。先生方の応援、患者様の頑張り…しかしやっぱりできませんと患者さんも先生方に対して申し訳ない気持ちがあるようです。もし治療にお困りの患者様がいればご相談ください!先生方自身が患者様と来院いただき治療することも可能です。