2009.11月号
当科の歯科衛生士は皆、働き者です。各々勤務時間中に多様な仕事をしています。診療室はこっちで埋伏智歯の抜歯をやっていると思えば、向こうでは静脈内鎮静法。そうこうしている内に車椅子の患者さんが入室してきたり、電話もあっちで鳴っています。外科処置の時でさえ、付きっきりでいることはできません。Drはそれぞれ勝手に自分のアポイントを入れていますから、向こうの忙しさなど知ったことではありません。よく付いてきてくれていると思います。高齢者や有病者などリスクが高い患者さんが多い当院ではきめ細かいアシストが必要になります。(若く健康な研修医も目が離せませんが)しかし多くの病院歯科は歯科医師の人数より衛生士の人数が少ない人員配置になっており非常に仕事効率の悪いものとなっています。多忙は医療事故を誘発する原因になり得ますし、もちろんお互いの精神健康上よくありません。
一方で彼女たちは口腔衛生指導が必要な患者さんも何人か担当しています。他の施設ではマンパワーの問題から思うように出来ていないところも多いのですが、当科では歯科治療を行っている以上最低限のケアは必要であると考えています。彼女たちの目配り、気配りには本当に感謝していますが、歯科医療の従事者として本来の仕事「口腔内の健康を維持し、育てていくこと」を限られた時間の中でこれからも継続していってほしいと思っています。患者さんは衛生士さんには本音を話すことも多いですし、会うのを楽しみに通院される方もいらっしゃいます。何より、その人を生涯を通じて大切なことに導いてあげられる素晴らしい仕事を貴方たちはやっているのだから。
俳句を趣味にされている患者さんから担当衛生士にお手紙で川柳を頂きました。
「ゴーグルとマスクで覆うチャームな顔」
彼女たちの苦労も少しは報われているでしょうか・・・