2020.7月号
歯科口腔外科 冨江華織(とみえ かおり)
未曾有のコロナ渦に巻き込まれた今日ですが、連携医の先生方も本格的に診療を再開されているところも多いと思います。
COVID-19において、エアロゾル感染という言葉が聞く機会が多くなりました。日本エアロゾル学会によると、エアロゾルとは気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体を示し、その粒子は、その生成過程の違いから粉じんとかフューム、ミスト、ばいじん、また気象学的には、霧、もや、煙霧 、スモッグなどと呼ばれることもあるようです。
その性状は、粒径や化学組成、形状、光学的・電気的特性など多くの因子によって表され、きわめて複雑であり、その上、粒径についていえば、分子やイオンとほぼ等しい0.001μm=1nm程度から花粉のような100μm程度まで約5桁にわたる広い範囲が対象となるそうです。
歯科治療では、高速切削器具や超音波により病原体を含んだエアロゾルが発生するリスクが非常に高いです。しかし、それらを使わない診療は非常に困難であることも現実です。 粒径の小さいエアロゾルが浮遊している空間にはやはり換気が重要であり、またエアロゾルの発生濃度を減らすためには、治療前の含漱やラバーダムの使用も効果的かもしれません。
当院では感染予防を徹底し安心して治療を受けていただけるよう心掛けて参ります。
注:「μm」はマイクロメートル、「nm」はナノメートル。