2017年9月号 歯科における高気圧酸素治療とは

2017.9月号

 いつも当院歯科口腔外科をお引き立てありがとうございます。私たちは、医科部門と緊密に連携できる特徴を最大限に活用し、様々な治療を行っています。その中の一つである高気圧酸素治療についてご紹介いたします。
 高気圧酸素治療は人工的に造成された、大気圧よりも高気圧環境の中に患者を収容し、全身あるいは局所、急性あるいは慢性のあらゆる種類の低酸素症状に治療効果をあげることができるとされています。当院では平成6年10月から脳血管疾患の治療を中心に突発性難聴・急性一酸化炭素中毒・網膜動脈閉塞症・ガス壊疽・急性末梢血管障害、脊髄損傷などの治療を行っています。装置は最大6名まで収容することが可能な第2種装置であり、心電図などを一つのモニター画面とし、高圧室内環境制御コンピューターと一体化させ、患者の状態を随時観察できるようになっています。
 歯科の適応疾患としては顎骨骨髄炎、放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍、重症感染症などがあげられます。顎骨骨髄炎は歯性感染に起因することが多く、再燃を繰り返しながら難治性となります。特にその症状である疼痛や知覚鈍麻を緩和させる効果が高く、手術と併用する事により治療成果が得られる事が多くあります。当科は顎顔面領域における高気圧酸素治療が可能な数少ない施設であるので、是非ご利用いただければ幸いです。
 この症例に、もしかしたら?と思った際は是非ご相談下さい。

歯科口腔外科 医長 齋藤浩人

高気圧酸素治療

歯科コラム