2024年9月号 <気管内挿入時の口腔内必要状態>

2024.9月号

歯科口腔外科 冨江華織(とみえかおり)

 聞き慣れない言葉かと思いますが、これは保検病名です。病院歯科では、全身麻酔で手術をする際に挿管による歯の破折や脱離などを目的に手術時にマウスピースを作成しています。

 過去に全身麻酔後に左下の被せ物がなくなったと訴えがあり、レントゲンを撮ったら飲み込んでおり、腹部にクラウンが映っていました。この症例はマウスピースはしておらず、詳しく話を聞くとポストクラウンが何度も脱離しており、適合が悪くなった補綴物をセメントで接着していました。数日で排出され事なきを得ました。

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 当院では、術前に動揺歯や自費の補綴物等がある場合、希望によりマウスピースを作成しています。しかし、脱離の再合着や仮着などは視診で判断できないので、患者さんから手術すると聞いたら、診療情報提供による情報共有やかかりつけ歯科でのマウスピース作成をお願いいたします。手術する患者さんの口の中を守れるのは、やはり歯科であり、連携医の先生方と協力していきたいと思っております。

(印象42点、装着680点、軟性で作成、適応に手術予定日、保険医療機関名記載必要、実物は写真参照)

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